桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか 読了
鳩山玲人
★2022年7冊目
著者は鳩山玲人さんです。名前を見て気づく方もいらっしゃるかもしれませんが、政治家の鳩山一族の方です。
(私は本書の「おわりに」を読んでから気がつきました。)
タイトルの通り、本書には結果を出すには何をしたらよいかについて書かれています。「結果を出す人」というのは、能力の優劣ではなく、どれだけ準備したかによって決定するのです。つまり、人から見えないところで入念に準備することが重要なのだそうです。
準備というのは何をしたらよいのでしょうか。鳩山さんは、入社前には職場の外部環境について一通りの情報を洗い出してチェックしていました。
業界や競合企業の情報なら、雑誌や新聞の記事など公表されている財務データやリソースをチェックするそうです。また、入社後は部署内にある本や資料すべてに目を通しているそうです。
特に、わからないことを放置していると人の行動は抑制されてしまうため、社内ルールなどは早いうちに知るのが重要だそうです。こういった資料はつい、必要になったときにやろうと後回ししてしまうのですが、これはすぐに真似しようと決めました。
新人のときはコピーなどの雑用を頼まれることが多いです。その際にも、ただ作業をこなすのではなく、その資料の中身をしっかりとチェックすることが大切と書かれています。仕事を与えられる立場の人は、上司から何らかの機会をもらっていることを意識して動くと、些細なことでも勉強の機会にできます。
私も仕事で雑用を振られることが多く、やりがい不足を感じることがありますが、本書を読んでからそういった作業にも意味を見出すよう取り組んでいます。
また、自分の仕事とは関係のない世間的なトレンドなども雑誌などを読んで取り入れるようにしているそうです。確かにこれは重要だと感じました。
学生の頃は学校の友人との会話の中で、自然に流行や、自分が疎い分野の話も入ってきましたが、社会人になってから意識的に取り入れていかないと自分の得意分野の情報ばかりになってしまいます。私もdマガジンを契約しているので自分とは縁遠いような雑誌にも目を通しています。こうして取り入れた情報でコミュニケーションがスムーズになったり、新たな興味や投資情報につながったりします。
事前準備をしっかりすることというと、当たり前のことのように思えますが、こういった当たり前の積み重ねをきちんとすることの重要性が書かれています。本当に欲しいものを手に入れるには、小さなことを確実に積み上げるような長期的な視点を持ってこそ、達成されるのです。
ここまで色々と書きましたが、本書で一番心に残ったのは著者のあとがきである「おわりに」です。
鳩山家に生まれたことについてや、お父様やお母様についてが書かれています。曽祖父が内閣総理大臣であったことから、鳩山さんご自身や、親やいとこもみんな、子どもの頃の将来の夢は総理大臣になることだったそうです。
そういった環境で生まれ育ち、きっと行く先々で「鳩山だから…」と言われ、そういった周囲の反応に悔しい思いをしていたそうです。しかし、多くのことにチャレンジをし、結果を出したことで最近は「鳩山だから…」と言われることも少なくなってきたそうです。そうして「鳩山家の一員である自分」を消化できるようになったそうです。こういった様々な呪縛から逃れようとする反骨真が一番の原動力になるのではないかと思いました。
鳩山さんのお父様が40歳三ヶ月で亡くなったことから、40歳になるまえに子どもたちに何か残したいと感じ、39歳の時に書いたのが本書なんだそうです。
本書を読んでいて、失礼ながら少々口うるささを感じることが何度かあったのですが、それはお父さんから子どもへのお説教的な側面を持つからだと理解し腑に落ちました。
それに気づいたら、本書に書かれていることは親から子への愛なので、本書に対する印象が変わりました。ですので、これから本書を読まれる方は、ぜひあとがきまで読むことを強くおすすめします。