世界最高水準の採用セオリー
深堀 一雄 著
前回に引き続き、転職の面接に備えて読みました。
『人事と採用のセオリー』と共通する内容が書かれている部分が多いですが、本書の方がより具体的に書かれています。
そのため、本書を読む前に『人事と採用のセオリー』を読むとより理解が深まると思います。
面接対策として読むには十分過ぎるくらいの内容なので、読んでから面接に臨めば心強いですね。人事担当の方にとっても非常に参考になる内容なのではないかと思います。
本書にはいくつかのフレームワークが登場します。人事やマネジメントを担当したことがなかったので知らないものばかりだったので覚書として記載します。
KSA
- Knowledge : 仕事で役に立つ知識
- Skill : 仕事に必要な技術
- Attitude : 仕事に臨む心構え・姿勢
KSAは人材開発や研修の業界でよく使われる言葉で、仕事で成果を出すために必要な3つの要素です。日本企業の場合は、採用で特にAの部分は他よりも重視される傾向にあるようです。
STAR
- Situation : 状況
- Task : 課題
- Action : 行動
- Result : 結果
これら4つがすべて揃ったとき、その情報は一つの行動事例と言えるそうです。面接等ではSTARを意識してエピソードを組むと効果的に伝わるかもしれません。
場の理論
B=f(P・E)
これは心理学の父といわれるクルト・レヴィンが提唱した「場の理論」と言われる行動の方程式です。各アルファベットの意味は以下の通りです。
- B = Behavior
- P = Personality
- E = Environment
B(行動)は、その人がもともと持っているP(資質)とE(環境)の相関関数で決定されるという考え方です。人の行動は、個人の性格や価値観によって決まるのと同時に、その人が置かれている環境や人間関係によって変わるということです。
環境によってモチベーションが上下したり、パフォーマンスが変わったというのは誰もが経験があるのではないかと思います。
また、”偽のSTAR”についても書かれています。偽のSTARとは、個人の意見や考え、将来や仮定や曖昧な内容を指しています。
具体的には、
- 〜と考えている
- 〜すべきだと思う
- 信頼されていると思います(と自分では思っている)
- もし〜だったら…すると思う
- おおむね目標を達成していました
といったような内容は、実際にとった過去の行動ではないため、偽のSTARに該当します。
ですので、面接者は面接の場で使うことは避けた方がよいといえますし、採用側はこのような表現に注意した方がよいと書かれています。
志望動機の考え方は
本書には6つの志向性が紹介されています。
志望動機を考える際は、これらの志向性からアプローチするのが良いと感じたため紹介します。
- 仕事の内容
- 会社の将来性や方向性
- キャリア形成
- 給料や福利厚生などの待遇面
- 職場環境
- 安定性
これらの項目から自分の中ではどれが最も優先度が高いかを考えつつ、志望の理由を考えるとよいと思いました。
以上、世界最高水準の採用セオリーの紹介でした。