起業家 読了

f:id:minimumemo:20220111170323p:plain藤田晋

 

『渋谷ではたらく社長の告白』に続いて本作『起業家』も読みました。

『渋谷ではたらく社長の告白』は、サイバーエージェント起業から上場にフォーマスを当てて書かれていました。『起業家』は、上場後からアメーバブログアメーバピグなどのヒットまでが書かれています。

 

サイバーエージェントのことは、とにかくキラキラしたインターネット起業という印象があります。そのため、アメブロの完成の裏にこんなに泥臭いエピソードがあるなんて想像もできませんでした。

 

今となってはアメブロといえば、ブログを代表するような有名なサービスです。しかし、ブログが誕生し始めたころは、後発のサービスだったそうです。

 

そのことについて、“ネット業界において、先行するメリットが、一年早いことが金額に換算してどれほど大きなことなのか、本当に意味では分かっていなかったのだと思います”と書かれています。

 

ITの世界は常に進み続けていて、今も日々新しいものが生まれています。私もITの分野で働く者として日々情報のキャッチアップに力をいれているので、この言葉にはなかなか考えさせられました。

 

元々、広告代理の営業を得意としている会社ということもあり、売上重視の方針からPV (ページビュー数)重視の方針への舵の切り替えが難しかったことがよく書かれています。

昨日まで、売上げを意識して働いていた人たちに「これからはページが何回見られたかが重要だから、ユーザの使いやすさを最優先するように」と言われても受け入れるのは容易ではないことが想像できます。

 

サイバーエージェントといえば、“サイバー村”という言葉があるほど社内恋愛が多いイメージがありました。本書にも終身雇用を目指す、長く働く人を奨励するといった方針を大切にした結果、社内の雰囲気が良くなり社内結婚が増え、更に社内の雰囲気が明るくなったといったことが書かれていました。

 

ヒットサービスを生み出すことについて、幻冬舎の見城社長の言葉を使い以下のように表現しています。

 

「全ての創造はたった一人の『熱狂』から始まる」

「新しいことを生み出すのは、一人の孤独な『熱狂』である」

「絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ」

 

「みんなで楽しく」やワイワイしたイメージのあるサイバーエージェントの社長から「孤独」という言葉が出てきたことが本当に驚きです。何かを生み出すのは一人で考え抜いた者だと私も思っています。この考えが肯定されたようで嬉しかったです。