変な絵 読了
雨穴 著
オモコロで活躍されている雨穴さんの著書です。
9枚の絵を巡って物語が進みます。
それぞれ主人公が違う4章で構成されており、少しずつ解決していく感じがおもしろくて一気に読んでしまいます。
序章は、母親を殺したという子どもが描いた絵を、心理カウンセラーが分析するシーンから始まります。
一章では、オカルトサークルに所属する青年が、不気味なブログについて考察します。
ブログと絵を考察するシーンは本書の中で一番面白いシーンだったかもしれないです。夢中になって読みました。
子どもや妊婦さんが可愛そうな目に合う作品だったら読めないかもしれない…と思いましたが、変に感情移入させるような描写ではないためサラッと読めました。
二章では、保護者と少年が登場します。
少年が描いた絵の謎を中心に、一見普通の親子に見える二人の秘密が明らかになります。
最後の、男性との抗争の場面は緊迫感がありました。
三章では、美術講師の話です。
美術講師の男性が死に際に、レシート裏に描いたとされる絵を中心にストーリーが展開していきます。
この章は登場人物が多くて少し難しかったですが、絡まった意図が少しづつ解けていく感じがおもしろいです。多くの謎が三章で解けていきます。
最終章では、ここまで読んできて一番気になっていたことが明らかになります。
カテゴリー的にはミステリーになると思うのですが、おかしな点やひっかかる点がなくスムーズな展開と、ストーリーはドロドロしているのに、文章はライトな点が雨穴さんのすごさを感じました。
前作、『変な家』もおもしろくて夢中になって読みました。
今作も夢中になって読みました。没頭できる作品に出会えるのは本当に幸せです。
おもしろいのでぜひ!