10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 読了
遠藤洋 著
投資の指南書はいろいろあり、その方法も様々なのですが、本書は時価総額300億円以下の小型株投資について書かれています。
小型株集中投資で投資するのは、一年以内に3倍位以上に成長する可能性のある株です。将来有望な会社を探すには以下のポイントをおさえているかどうかをチェックします。
全て満たす会社は稀ですが、満たしている数が多いほど急成長の可能性は高いそうです。
- 上場して5年以内
- 時価総額が小さい(300億円以下)
- 創業社長が現役
- 社長や経営幹部が大株主
- 高学歴の新卒社員がいる
- 社員の平均年齢が若い
- みんなが欲しいと思う商品を提供している
- 株価チャートが上昇トレンド
有望株を見つけたら以下の項目をおさえます。
- 大株主の考え方を想像する
- ビジネスモデルを人に説明できるレベルまで理解する
- 「これからの業績」を予測する
- 利益の使い道によって会社の成長フェーズをつかむ
- その会社の商品を選ぶ理由を探る
これらは与沢翼さんの著書『お金に愛される 真・投資術』でも、銘柄探しにおいて同様のことが書かれているので重要な項目だと思います。
これからの業績を予想するというのは難しいですが、ひとつの方法としてPER(株価収益率)があります。
PERとは、会社を丸ごと買った場合、何年でそのお金を全額回収できるかを示した数値です。(PERが10であれば、10年かかる。)
投資家の間ではPER10倍以下であれば安い、20倍を超えると高いと言われることが多いようです。ちなみに上場企業の平均PERは15倍程度といわれているそうです。株を購入する際にはPERをひとつの目安にすることができます。
計算式は以下の通り。
- PER = 株価/EPS(1株あたりの利益)
- EPS = 当期純利益/発行済株式総数
詳しくは本書を読むと、各チェックポイントを深く理解することができますのでぜひご覧になってください。
他には、身の回りに有望株を見つけるきっかけがあるといった話や、株式投資でやってはいけないことなどが書かれています。
余談ですが、著者がいきなりステーキに行って、「おいしかったけど座って食べたいと思った(後に椅子が導入された)」というエピソードがなぜが印象的でした。
私は椅子導入後のいきなりステーキにしか行ったことがないのですが、確かにいきなりステーキの本格的なステーキを立ち食いしたら、座って食べたいと思うだろうなと思いました。
株探しは就職活動に似ていると思います。
有名企業は簡単に見つけることができますが、できれば隠れた優良企業に出会いたいものです。しかしそういった企業は自発的に探さなければ見つかりません。株も同じで有望な小型株を見つけるのは同様に難しいと感じました。
本書に書かれていることは筋が通っていて納得感がありますが、やはり投資対象を探すのが一番重要で難しいところだと思いました。
事実、本書の中で出てくるシミュレーションでも”新たな株に投資するのは半年に一回”とされているので、時間の大半は情報収集と分析に使うのものなのだと感じました。