『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』読了
『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』
エリック・バーカー 著
橘玲 監修, 訳
竹中てる実 訳
残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する [ エリック・バーカー ]
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 宗教・倫理 > 倫理学
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- 価格: 1,620円
“玉石混交の自己啓発の成功法則を、すべてエビデンスベースで検証”している一冊。
自己啓発的な内容って胡散臭くなりがちですが、本書はしっかりと根拠づけて展開しているので、納得ができます。全体的な内容は良いですが、不必要に煽るようなタイトルと、若干冗長さを感じるところが少し残念でした。
ボリューム満点の一冊でまとめるのが難しいです。
以下に印象に残った内容をざっくり記載します。
第2章 「いい人」は成功できない?
長い目で見ると組織内で利己主義はうまくいかないのだ。努力を極めて成功を成し遂げることは、じつは利己主義を超越し、周囲と信頼し合い、協力関係を築くことを意味する。皮肉な話、たとえ犯罪者が悪事で成功するにも、このことは鉄則だ。
小狡く立ち回る人が出世するように思われる。確かに短期的には利己主義である方が成功するそう。しかし、長期的に見ると周囲からの信頼を得たほうが成功に繋がるそう。この法則は、海賊や犯罪者同士のコミュニティでも同じだという点がおもしろかった。
与える人と奪う人
世の中には、3つの種類の人間がいる。
- ギバー(受けとる以上に、人に与えようとするタイプ)
- マッチャー(与えることと、受けとることのバランスを取ろうとするタイプ)
- テイカー(与えるより多くを受けとろうとするタイプ)
「成功」という尺度で見たとき、最下位のほうにいるのがギバーである一方で、トップのほうにいるのもまたギバーたちだという。マッチャーとテイカーはいずれも中間に位置しているそう。
実社会で「しっぺ返し戦略」はどのぐらい有効か
復讐などの手段としてしっぺ返しを行う際には、以下に注意して行う必要がある。
- 相手を妬まない
- 自分から先に裏切らない
- 協調であれ裏切りであれ、そっくり相手に返す
- 策を弄さない
実社会での関係のほとんどはゼロ・サムではない。誰かが勝つからといって、あなたが負けるとは限らない。
相手が成功したからといって、必ず自分が敗北する訳ではない。これを念頭に置いておけば、変に好戦的な態度を取ってしまったり、またそういった態度を取ってくる人に対しても余裕を持って接することができそうです。
エビデンスからわかる最強の対人ルール
- 自分に合った池を選ぶ
- まず協調する
- 無私無欲は聖人ではなく愚人である
- 懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう
- 長期的視点で考え、相手にも長期的視点で考えさせる
- 許す
第3章 勝者は決して諦めず、切り替えの早い者は勝てないのか?
徹底比較!楽観主義vs悲観主義
楽観主義者と悲観主義者では、世界の見方に天と地ほどの開きがある。
わたしはどちらかというと悲観主義者で、楽観主義者の人に対して苦手意識があります。しかし今後、楽観主義者と話す際には「世界の見方に天と地ほどの開きがある」ことを念頭に置こうと思います。
引き寄せの法則が脳におよぼす悪影響と現実を本当に変える方法〝WOOP〟
人間の脳は、幻想と現実を見分けるのが得意でないので、目標達成後の姿を思い浮かべると、脳は、すでに望みのものを手に入れたと勘違いしリラックスしてしまうそう。
そのため、目標を達成するためには、引き寄せの法則ではなく、ざっくりとでかまわないので行動をいつ、どこで、どのように取るかなど、と計画することが必要なんだという。
二つの魔法の言葉は、「もしも(If)」と「そのときは(Then)」である。予見できるどんな障害に対しても、「もしXが起きたら、Yをすることで対処しよう」と考えておくだけで、結果は大違いだ。
WOOPとは、願い(Wish)、成果(Outcome)、障害(Obstacle)、計画(Plan)の頭文字を取ったもので、仕事や人間関係、運動、減量など、ありとあらゆる目標に適用できる法則である。
第4章 なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか
大人こそ思い出せ!友だちづくりの三大基本原則
人間の脳は、自分のことを話すことで、食べ物やお金よりも強く快楽中枢を刺激されるという。だから、人前で自分のことばかり話すのはほどほどにし、その楽しみをほかの人に最大限譲ってあげよう。
「説明する」のは「戦争を仕掛けている」のと同じ
説明するという行為の多くは、支配欲なのだという。相手に教えようとしているのではなく、「わたしが正しく、あなたが間違っている理由はこうだ」と勝利しようとしている。
第5章 「できる」と自信を持つのには効果がある?
無能な者より自信過剰な者が危険をもたらす
企業をだめにするのはどんなCEOか知りたいだろうか?株主に向けた年次報告書で、CEOが何回、「私」という言葉を使っているか数えてみればいい。
成功において自信よりも大切な概念「セルフ・コンパッション」
わたしは「セルフ・コンパッション」という言葉を初めて聞いたのですが、「セルフ・コンパッション」とは自分への思いやりのことを指すセフルコントロールの手段の一つです。自分への思いやりを育むことで、自信過剰になることなく現状認識をし、失敗した際にも事故を責めることもしない、フラットな状態を保つ効果があるそうです。この考え方は、日常に取り入れていこうと思っています。
長くなってしまいましたが、このように他にも日常に活かせる発見が多く書かれているためおすすめの一冊です。
残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する [ エリック・バーカー ]
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