アルゴリズミック・リーダー

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マイク・ウォルシュ (著), KPMGジャパン (翻訳), 松本剛 (監修)

 

“データを制するものが世界を制す”や、”データを制するものがビジネスを制す”と言う言葉があります。


では、データとは具体的に何でしょうか。ここで言うデータのひとつに、アルゴリズムも含まれると思います。

 

アルゴリズムというのは、問題を解決するための手順や計算方法のことで、
同じゴールを目指していても通り道は様々であるように、人や状況によって最適だと思う答えは違います。

 

どんどん変化していく世界の中で、アルゴリズミック・リーダーとしてどういった行動を取るべきなのか?

最適な道を選ぶにはどうしたらよいか?というのが、実例を挙げて説明されています。

 

後半のAIに関する章で、AIの危険性について触れています。

AIの危険性とは、人間がAIの意思決定の過程を理解せず、ブラックボックスのまま利用し続けてしまうことです。

私たちは意識的にも、無意識的にも偏見を持っているので、それが気づかぬうちにAIの意思決定の過程に反映されてしまう可能性があります。

AIを使った作業に何かトラブルがあった際に、「ブラックボックスだから」という理由しか出なくなってしまいます。

しかし一方で、意思決定の過程を理解できるレベルまで質を下げると、今度はAIの効能を弱めてしまうということです。

そういった妥協点を見極めることもアルゴリズミック・リーダーが今後行う仕事です。

 

以下、好きな文章を紹介します。

 

  • 組織のヒエラルキーの高みを目指し上ることで目標を達成するのがアナログ時代のリーダーだとするなら、有機的エコシステムのように相互に繋がった全体性のなかで運営することを求められるのが、アルゴリズミックリーダーだ。
  • 小さな組織では、リーダーとしてのあなたの価値は組織図のなかのポジションや名詞の肩書きで定義されるのではなく、あなたの人脈や関係性で評価される。
  • 監獄の看守ではなく、庭師になれ。
  • あなたが質問すべきは「結果を出しているか」ではなく、「アプローチは適切であるか」なのだ。