『価格の心理学』読了

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『価格の心理学』

リー・コールドウェル 著
武田 玲子 訳

 

 

以下Amazonから引用

「購買心理学」と「行動経済学」の観点からアプローチする、新しい価格戦略の教科書。お客は売り場で何をどう認識して購買を決定するのか、その決定はいかに「不合理」か。顧客心理を読み解き、「買い」へと誘導する価格設定の技法。

架空の商品「チョコレートポット」の販売戦略を例に、マーケティング方法を心理学の切り口から紹介している一冊です。

 

わたし自身、マーケティングやセールスに携わったことはありませんが、消費者としてこういった手法は知っていて損はないと思いました。

以下、印象に残った内容

 

第3章 顧客心理の読み方

顧客は本当に支払うつもりの価格より低い金額を言うわ。
…(中略)…実際には、自分が本当にいくら支払うつもりなのかも自覚していないはず。

 

第7章 アンカリング効果

アンカリングとは、「第一印象」の効果を利用した価格戦略のこと。お店に入ったときに一番最初に目にした価格が、その店の商品の基準価格になるという。

具体的な金額に関係なく、最初に見た基準価格が指標になってしまうため、安すぎると不安になり、高額なものは特別なときに楽しむようになるのです。そのような基準価格がいわゆる“アンカー(船をつなぐいかり)”であり、顧客が払おうと思う価格の指標として機能します。

 

第10章 代金の後払い

クレジットカードの利用明細を見てびっくり!なんて経験は誰でもあるのではないでしょうか。

これは「双曲割引」と呼ばれるもので、将来の金銭的価値は、現在の金銭的価値より低く評価される傾向があることをいいます。商品はすぐに受け取ることができ、支払いが後になるクレジットカードのようなシステムでは、支払いへの抵抗感が薄れるためついつい使いすぎてしまうそうです。

この心の働きを知っておくと、クレジットカードをつい使い過ぎてしまった、なんてことを減らせそうです。

 

第16章 他人のお金

本章では、第三者が支払うときの購買心理学について紹介されています。

何かを購入するときに迷う原因の多くは、失敗するのではないか、後悔するのではないかといった心の葛藤である。それに対して、

自分の所持金から代金を支払うわけでなければ、心理的な抵抗感はすっかりなくなる

のだという。
法人への営業や、贈り物をいただく際などに有効な手段として紹介されている。

 

最後に、終始気になって仕方なかった架空の商品「チョコレートポット」。

その特徴を本文から書き出してみる。

  • 見た目はまさにポット。しかしどう見てもミルクチョコレートでできている
  • 本体は薄い透明のプラスチックでできている。
  • ポットの中に茶葉を入れ、お湯を直接注ぐと、中のチョコレートが溶けて、チョコレートティーができる仕組み。

 

そもそも「チョコレートティー」というものに馴染みがないため、説明を読んでもピンときません。しかし、何とも気になる「チョコレートポット」。KALDIあたりに置いてないでしょうか。