『やらないことリスト』読了
pha『やらないことリスト』
読みやすさ:★★★★★
なるほど:★★★★★
脱力:★★★★★
概要
10年後や20年後も食いっぱぐれない仕事を見つけないといけない、
仕事をがんばるだけじゃなくて家庭のことも両立しなければいけない、
英語はできなきゃ、
野菜食べなきゃ、運動しなきゃetc...
「やるべき」と言われていることはたくさんある。
いわゆる「しなきゃいけないこと」の99%は「本当は別にしなくてもいいこと」だ。
とある通り、身の回りに蔓延る制約から自由になるためには
どうするべきかのヒントをくれる本。
感想
まず、生きるのが楽になる。
私は人より体力がないと思われる。
学生のときも、社会人になった今も週5日活動するのが辛い。
それから集団生活が苦手で団体行動が苦手で、学校生活が嫌いな子だった。
社会人になった今も、毎日同じ時間に起きて同じ場所に行って…というのが辛い。
仕事ができるタイプでもないみたいなので、恐らく会社員が向いてないんだと思う。
本書を読むと、そんな自分を少し肯定できる気がする。
印象に残った文章
今の時代は、いつでもどこでもググれば何でも調べられる世の中だから、ただ何かを知っているだけということにあまり意味はない。
その知っていることをいかに自分の血肉にして、生きた情報として活用できるかが大事だ。
これってとても難しいことだと思う。
好きな本や音楽に対して、何が素晴らしくてどうして好きなのかとか、
上手に説明できないんだよね。
これは私がこんな誰が見ているともわからないブログに
好きな本や音楽を書き続けている理由でもあって、
好きな物の伝え上手になれたらいいなと思ってる。
本当はだるさをこじらせて病気になる前に休んだほうがいいのに、ただなんとなくだるいという時点で休むと顰蹙を買ってしまって、実際に病気になって倒れないと休むことを許されない、とうのは変な話だと思うけれど。
もっとだるさに敏感になろう。
休む基準って難しい。
ストレスを全て真っ向から受け止めたら大変なことになってしまうから、
自分を守る意味ために休み上手にならなきゃなと思った。
メモを残すときのコツは「未来の自分は他人だと思う」ということだ。
ぐしゃぐしゃぐしゃーっと書いたメモってわからないもんね。
実際このブログを書きながらも、この付箋はなんだ?という場面があったくらい
私のメモは雑。
良い喩だから覚えてこう。
決断が早い人よりも決断が遅い人のほうが、優しさがある気がする。
優柔不断でためらいがちな性格というのは、「自分は間違っているかもしれない」という謙虚さにも繋がっているからだ。
何か対立があったときは…(中略)
他者に対する寛容さを持っているほうが、結局、自分自身もラクに生きられると思う。
どんな意見でも誰かが熱く語っていると、…(中略)…
そうなのかもしれない」と思ってしまったりするし。
多分とっさの頭の回転があまりよくないのだと思う。
文章だと自分のペースで行ったり戻ったりできるからかけるんだけど、
心無いことや、酷いことを言われたりされたときに、
後から冷静に考えるとすごくイライラして、はっきり嫌ですって言えばよかった。
なんてことが私はよくある。
ポジティブなこともネガティブなことも、その場で感情を伴えないのが悩みだったけど
きっと私もその場の瞬発力みたいなものがないんだと思う。
何をするにもスピード感が足りないのがここ最近の悩みだったけど、
私は私のやり方でやればいいかなって力が抜けた。
僕は家族とか宗教とか「閉じた人間関係」というのが苦手だ。
閉じた人間関係はおかしくなりやすい。
…(中略)…
閉じた空間で外部の人の目がないと、「暴力を振るう」とか「誰かの悪口をみんなで言い続ける」とか、外の人から見ると明らかにおかしい行為がその中で普通に行われるようになったりする。
これは新しいコミュニケーション案に感じた。
学生なら学校、社会人なら会社、みたいに所属するコミュニティーって
ひとつになりがちだから、そのコミュニティーの異常性に気付きづらくなりがちだと思う。
学校でのいじめとか、そのグループ、クラス、学校しかコミュニティーがないから
いじめる人もいじめられる人も、小さな世界でネガティブスパイラルにはまってしまうんだと思う。
ただこれって、当事者としてそのコミュニティーにいるとなかなか気がつけないんだよね。
私は何度か転職をしていて、明らかにおかしい職場があったけど
もしもそこしか知らなかったらそこで耐え続けていたのかと思うと怖くなってしまう。
常に自分の中の風通しをよくしていきたいと思う。
いじめに関しては、学校という制度自体見直すべきなのでは?
なんて思うけどいきなりそんなことは難しいし、じゃあ代替案は?
と言われても急には思いつかない。
でももし自分に子供が生まれたら、
世界はひとつじゃないし、関わる人間とコミュニティーは選べるんだよ。という選択肢をあげたいなと思う。
まあこれは常々自分に言い聞かせていることなんだけど。
こういう本を読むと
価値観が多様化してきていいなと感じる。
「これあるべき」とか「これが幸せ」といった定跡が崩れていくのがわかって
生きづらさがなくなっていく感が心地いい。
最近女性はこう働くべき!みたいな本を何冊か立て続けに読んで
ちょっと疲れてしまっていたのでいいタイミングで読めたなー
自分がいいと思う生き方をしていきたいな。
あと、この本の紙質が好き。
表紙も中の紙も、めくった感じとか開いた時の硬さとか良い。
紙の本で買ってよかった。