『こじらせ女子の日常』読了
本屋さんでたまたま見つけて購入。
私はこじらせ女子の自覚があり、
帯の“「女子」であることを楽しめないあなたへ”がグッときた。
ただただこじらせ女子論が述べられているだけかと思いきや、
かなりしっかり社会学だった。
中でも特に印象に残ったのが以下2点
(たくさんあるので全て書きたいけど絞りに絞って。)
まず、「女子力」という言葉に関する文章。
「女子力」は、何でも「ヤバい」のひとことで済ませてしまう語彙力の乏しさとも似ている。「ヤバい」と言えば、どんな感動もひとことで表せてしまう。「女子力」にも、そんな便利さがある。
ひとつ確かなのは、世の言う「女子力」に踊らされることなく、その評価軸を徹底的にバラバラにし、自分なりに組み立ててみること、これが今の女性たちに求められる“本当の力”ではないか、ということだ。
この記事のとおり
私は「女子力」という言葉に抵抗がある。
まず「女子力」という言葉に違和感を感じるのが自分だけではないと気づけただけでも救われたのに、更に「女子力」に関して再定義していてモヤモヤが晴れた。
北条さんに感謝!
また、妊娠や出産に関しても書かれている。
結婚しないのか。出産は早い方がいい。
という女である以上どうしても逃げ切れられないしがらみ。
オジサン政治家なんかがよく妊娠や出産について無神経に口出ししたりするわけだが、そのたびに全身が痒くなるような吐き気がするような思いになる。
これについて北条さんは
「一般論」を笠に着て、女性の身体的な領域にズカズカと踏み込んでくる。妊娠や出産は、女性にとって繊細で、あまり立ち入られたくない領域
と表現した上で、更に
「一般論を言っただけ」と主張しても、発言が「不快なコミュニケーション」に帰結してしまった以上、謝るべき
と言っている。
そう、“立ち入られたくない領域”なんだよ!!!
今後そういう場面に出くわしてしまったら、
「立ち入られたくない領域です」って言おうと思った。
他にも本書では美に対する執着、貧困女子、結婚など…女をとりまくテーマが北条さんの切り口で分析し書かれており非常におもしろかった。
もうこれは社会学の本と言っていいと思う!
どの項目も本当に興味深くて、世の中に対して違和感を感じていたことをうまく言葉にしてくれているのでおすすめ。
この一冊で北条かやさんの大ファンになったので追いかける所存。