『おちくぼ姫』読了
田辺聖子著『おちくぼ姫』
どきどき:★★★★★
ときめき:★★★★★
背筋が伸びる:★★★★★
角川書店の素敵な表紙の文庫本シリーズ。
表紙が好きなので、毎年ついつい買ってしまう。
この『おちくぼ姫』、原題は平安時代の『落窪物語』で日本版シンデレラ。
古典作品なので難しいかな、、と少し緊張しながら挑んだけれど、
田辺さんが隣でお話してくださっているように、すっと入ってくる。
とても読みやすいけど薄っぺらいなんてことはなく、文章全体にはしっかり雅な雰囲気がある。
さすが、田辺聖子さん。
物語の感想は、人が辛い思いをする作品が苦手だけどハッピーエンドが約束されているので安心して読むことができた。
物語の鍵を握る、阿漕(後の衛門)がすごくかっこいい。
頭が良くて、美人で、さらに旦那さんである帯刀の手綱を上手に握っていて、まさに女が思うかっこいい女性。
こんな出来る人が味方についていてくれたら、なんて心強いんだろう。
わたしはおちくぼ姫の動向よりも、阿漕の方が気になっていた。
三条邸で、道頼が北の方と対面する場面、道頼が王子様って感じでときめいた。
元々かっこよくて素敵な方なんだけど、この場面は特に。
すごく素敵なお話で、今も余韻に浸っている。そして、女性が活躍するお話は背筋が伸びる。
古典ですがとても読みやすいので、ぜひ。